Medical Vibe Coding ・ Hands-on
バイブコーディング体験ワークショップ
岡本 賢(愛育病院 小児科/AMPL Inc.)
第2回日本デジタル医学会年次学術大会
発表者:岡本 賢(愛育病院 小児科)
演題発表に関連し、開示すべき利益相反は以下のとおりです。
| 役員・顧問職 | AMPL Inc.(代表取締役) |
| その他 | Claude Community Ambassador(Anthropic) |
まず、このサイトを開いてください。
jsdmh-ws-2026.vercel.app
開くと、この画面が出ます
講師
岡本 賢おかもと・けん
小児科医(愛育病院)/AMPL Inc. 代表取締役
Anthropic 公認
じつは、これにも
選ばれています。
Claude Community Ambassador
日本で確認できるのは4人。その一人が、医療の現場に。
当日はこの画面から、入力 → 生成 → 修正の流れを一緒に進めます。
今日の作り方は、とてもシンプルです
コードは、一行も
書きません。
日本語で頼む。出てきたものを見る。気になるところを、また伝える。
私がやるのは頼む・診る・決めるだけ。作る・直す・調べるは、AIのチームが並列で回します。
今、インターネットで動くものは、ほとんどすべてコードでできています。
そして、コードは「言語」です。
現代で「ものを作る」とは、もうコードが欠かせない、ということです。
$ npm run build && tsc --noEmit --strict
import { createPool, sql } from '@db/postgres';
type DrillRow = { id: string; weak: boolean; due: Date };
async function getDrill(uid: string): Promise<Drill[]> {
const pool = createPool(process.env.DATABASE_URL!);
const { rows } = await pool.query<DrillRow>(sql`
SELECT * FROM drills
WHERE user_id = ${uid} AND weak = true
ORDER BY due_at ASC LIMIT 50`);
return rows
.map(r => ({ ...r, score: calc(r) }))
.filter(x => x.weak && !x.archived);
}
› tsc: error TS2345 in src/lib/db.ts:42:18
› Type 'string' is not assignable to 'UUID'.
コードは、呪文のような文字を打ち込むもの。
エンジニアという専門家のものでした。
だから多くの人が、
「自分は作る側になれない」と思っていた。
もう、打ち込む必要はありません。
日本語で話しかけるだけで、コードができる。
それがバイブコーディング。
AIと一緒に作っていく過程です。
クリックでも、メニューでもない。日本語で話しかけて、作る。人が一番慣れた「会話」に、道具のほうが立ち返ってきました。今日、それを体験します。
There's a new kind of coding I call "vibe coding", where you fully give in to the vibes, embrace exponentials, and forget that the code even exists.
コードの存在すら忘れて、流れに身を任せる。
それを「バイブコーディング」と呼ぶ。
X @karpathy / 2025年2月2日
写真: Gladwin Analytics / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)
大学生のころに観たSF映画
映画で観た未来が、
もう目の前にある。
イヤホンの向こうにいるAIと、普通に会話する。
「面白い世界だな。生きている間に実現するかな」と思っていました。
2026年7月、OpenAIがGPT‑Liveを発表。
未来は、待っているうちに来ていました。
「ひみつ道具は、誰かがくれるもの」でした。今は、自分で作れる。
もう、医療の外で普通に起きています。
出典: Vercel / Carta Solo Founders Report 2025 / Sacra(Cursor ARR)
個人で"試す"だけなら、日本ももう半数超え(54.7%)。そこは並びました。
でも、仕事に組み込んで使い倒す段になると、差は、まだ歴然です。
出典: 個人利用=ICT総研(2026年2月)/企業活用=帝国データバンク×読売新聞(2026年3月)/米国=McKinsey「The State of AI」(2025年11月)
先頭を走る会社は、トップの号令で、ふつうの社員まで全員、AIに振り切っています。
DeNA・全社
会長が「AIオールイン」宣言
全社員をAI人材に。約3,000人規模の事業を半分の人数で回す構想。社内の活用事例は即200件。
全社員 / 2025〜
ソフトバンク・全社
孫正義「10億のAIエージェント」
社員1人に最低1,000本のAIを。「人間がプログラミングする時代は、もう終わる」。
年内に10億体
Shopify・世界
AIは全社員の「前提」
増員を求める前に、“AIでできない理由”を証明せよ。人事評価にもAI活用を組み込み。
AI 非オプション
出典: 日経クロステック/クロストレンド(DeNA・2025)/SoftBank World 2025・日経(ソフトバンク)/Tobi Lütke 社内メモ・Forbes(Shopify・2025)
なぜ作るのか、は見てきました
会社も、世界も、動き出した。
次は、あなたの番です。
ここから先は、観るだけで終わらせません。
このワークショップで、あなた自身の小さな道具を、
実際に手を動かして作ります。
| レベル | 何ができるのか | 到達チェック | 使うツール | 次の一歩 |
|---|---|---|---|---|
| Lv1使う多くの人はここ使う医師の入口主要なAIアプリに気負わず触れ、調べ物から文章づくりまで毎日の道具にしている。 |
|
|
|
|
| Lv2任せる今日ここ使う医師の完成形AIエージェントを自分のPCで動かし、日々の作業をひとことで任せられる。 |
|
|
|
|
| Lv3広げる広げる医師自分の手順を再現できる型にして周りに配り、定期実行や試作の公開まで回す。 |
|
|
|
|
| Lv4公開する作る医師DB・認証まで備えた仕組みを組み、外の相手に使ってもらう形で公開する。 |
|
|
|
|
| Lv5創る創る医師AIを中心に据えた事業や研究を立ち上げ、収益化や成果まで自分で走らせる。 |
|
|
|
|
今回は、進行をそろえるためClaudeで進めます
ChatGPT
Claude TODAY
Gemini
仕事や家庭の環境に合わせて、使いやすいツールを選んでください。
違いは、どこまで任せるか。右にいくほど、自律的に動きます。今日使うのは、いちばん簡単な「チャット」。
調べ物、文章の下書き、そして動く試作(今日の実習)。話しかけた場で完結。
迷ったら、まずここ。日常のほとんどはチャットで足ります。
資料一式づくり、ファイルの一括整理、調査からレポートまで。数十分の作業を丸ごと。
1回の指示で、何段階もある作業を任せたい時。
本格的なアプリ開発、PC内のファイル編集から実行・修正まで自分の手で回す。
チャットの試作を、育てて作り込みたくなった時。

「思ってたのと違う」は失敗ではありません。今日いちばんの教材です。
1周目・まず、動くことに驚くプロンプト例
たった一文で、動くものが出てきます。まず、その「え、できた」を味わってください。
キーボードよりも口のほうが、ずっと速く、たくさん伝えられます。
およそ 3倍のスピード
速さより大事なのは情報量。しゃべると、前提や背景を自然にたくさん渡せます。AIは、渡された情報が多いほど、ねらいに近いものを返します。


休憩
2周目・見た目に、欲が出るプロンプト例
できあがったら、正直に眺めてください。「なんか安っぽい」「イメージと違う」。それで正解です。
デザインの語彙は、要りません。見本が語彙になります。


3周目・作りたいものが、ぼんやりしているプロンプト例
たぶん、思っていたものと違うものが出てきます。今回は、それが狙いです。
答えているうちに、頭の中が言葉になっていく。言語化は、AIに手伝わせていい。

「調べる・書く」だけじゃない。話しかけるだけで、ここまで。ほんの一部です。
何十もの情報源をまたいで、レポートにまとめてくれる調べ方。使いどころとコツ。

喋っただけで、動く道具ができた。それが今日いちばんの成果です。ただ、これはチャットの中の「作品」。別の端末や同僚とは、まだ共有できない。部品を足すと、サービスになります。
この部品も、ぜんぶAIと一緒に組めます。ここから先が、レベルマップのLv3→4。
道具が変わっても残る、AIと働く型。
DELEGATION委ねる何を任せ、何を任せないか
DESCRIPTION伝えるどう描写するか。見本・まず質問
DISCERNMENT見極める出力を評価する。信じすぎない
DILIGENCE責任を持つ結果に責任を負う。最終判断は人間
正直な話を、します
前の職場では、
輪が、たしかに広がった。
国立成育医療研究センターで、専攻医40名に、6か月のAIプログラムを主催。AIの活用率は、10%から80%へ。
でも今年、いまの病院に移ったら、また私ひとりから。組織は、そう簡単には変わりません。
だからこそ、いつも、最初の一人が要る。
この土壌を、日本中に
同じ土壌が全国に広がれば、
日本の医療は、早く変わる。
一つの病院でできたことを、全国の現場から。
現場発信の文化が広がるほど、変化は速くなる。
その最初の一歩を、今日この場から。
質疑応答の前に、正直な話を
細かい技術は、正直わかりません。それでも、道具は作れる。
今日いちばん、見せたかったのは、そこです。
